設計者ができること

渾身の思いで描き上げた図面に対して、出てきた見積書とにらめっこ。
描かないとクライアントの夢は実現出来ないし、描くとお見積書が上がってしまう。
そのジレンマの中で、設計者として出来る事は無いのかなと葛藤。

お家を建てるには、沢山の人がかかわり、たくさんの過程があるので
残念ながらいつもスムーズに進むわけではありません。
毎回内容は違いますが、当たり前のように、大小の様々な課題を解決していくことになります。

ご縁があって私にご依頼いただいているかぎりは、
その一つずつをコツコツ潰していき、
ゴールにだどりつけるようポジティブに進める。
せめて私だけでもポジティブに…。


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中間検査

昨年携わらせていただいていた都内の物件の中間検査に同席してきました。
この案件はご親族三世帯が同居するおうちです。
「第一種高度地区」「日陰規制」という厳しい条件で、一階を半分ほど地下に潜らせる事で規制をクリアさせています。
何度も何度も屋根の形状、高さ関係、面積を検討しました。法律を満たすためとても苦労しましたが、お客様のご要望が形になり、上棟はやはり嬉しい瞬間です。

中間検査では、検査員から2、3の細かい指摘がありました。
複数の人間が関わりながら作るものなので、ミスがゼロということは通常ありません。
設計者、施工者、指定検査期間の検査員の方(第三者の目)と複数で見ることで、大きなミスを防ぎ、より正確になっていくと感じますのでとても大事なことだと改めて感じます。


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20200107仕事初め

gritdesignは小学校に合わせて今日から仕事初めです。人生で初めて実家への帰省を諦め、年越しは我が家で。
長女の書き初めの宿題に付き合って皆で書きました。
子育てするって、自分の人生をもう一回やり直しているよう。懐かしい思いになることがたびたびあります。ずっとずっと続く子どもからのプレゼントのようだなと思います。
新年にはオンラインで大学の同窓会開催。
20人が画面に映ったときには久しぶりに興奮してしまいました。こうでなかったら会えなかった人と気軽に繋がれるオンラインの可能性を改めて感じました。仕事でもテクノロジーの進化を去年に引き続き今年も取り入れていこうと計画しています。
新年早々、また大変な状況になり心配ですね。頑張って踏ん張って大変な思いをされている医療従事者の方々や、対面でお仕事されている沢山の方の為にも、何が正解なのか考えながら行動していきたいと思います。
コロナの状況がこれからどうなるか不安もありますが、お仕事できることを感謝し、焦らず今出来ることを着実にやっていきたいと改めて思います。

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ホームページ公開のおしらせ

gritdesginは一級建築士事務所登録を致しました。

それに伴い、ホームページをつくりました。
このブログはそのHPの一部にしました。
12年目に突入したこのブログですが、HP公開にあたりどのようにするか迷いました。
ブログを始めたときから、パブリックに向けて建築の考えなどを発信していきたいという部分は変わっていませんが、当時は会社員でしたので仕事(個人住宅)のことは個人情報の観点からあまり載せていません。
子育てに費やした時間は多く、笑った、泣いたなどを事細かに記した子育てブログになっている時期もあり、設計事務所のブログとしてはおかしなものなのかもしれません。
いつも順風満帆ではなく、子育てと仕事の両立に大変だった時期も載ってます。
ですが、11年の歳月の成長や変化は当たり前のことですし、子育てに費やしたそのたくさんの時間と住宅設計は密接につながっていると感じていますので、しばらくは自己紹介や考え方の発信ツールとしてとらえ、そのままに載せておこうと思います。
うまく伝えられているか分かりませんが、私の中ではライフとワークはつながっていて、全部ひっくるめて、「人生を楽しむ」をお伝えしていきたいと思っています。
そして、人が住まうところが好きなんですよね…。
たぶん、それに尽きるのではないかなと思います。
HPはシンプルな構成にしましたので、今後ゆっくり育てていこうと思います。
さいごに、公開までサポートしてくれた皆様ありがとう!

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20201218高断熱住宅見学&冬の加湿について

先日、高気密高断熱住宅のモデルハウスを見学させていただきました。

我が家の断熱材の施工をしてくださった由地さんが仲間と気密断熱の設計施工の会社を立ち上げたそうで、今回お誘いしていただきました。小泉木材さんの新社屋として建てられたもので、高気密高断熱住宅のモデルハウスとしても使用されているそうです。
外壁は「杉+ウッドロングエコ」の組み合わせで、我が家も同じ(^^)
施工3年経っており、いい感じの外壁です。

気積(家の住空間の体積)が1000㎥(一般的な住宅の3~4倍)もあるのに、なんと6畳用のエアコン1台でまかなえるそうです。
参考に、Ua値は0.2!
冬は日が出ていれば日射による温かさでエアコンいらずのようです。
(我が家も2Fはそんな感じです)

1月の室内平均気温は20℃、
エアコンの電気代は
暖房では 4,000円/月
冷房では 22,000/月
この性能値を出すために、もちろん相当の断熱・気密・空調工事を施しており、それなりのコストもかかります。
現在の技術と商品の結晶ですね!
断熱に関していえば、壁体内断熱材セルロース 、外側に別途断熱しているそうです。
全館空調の心臓部。自ら機材を購入し施工したそうです。
エアコン部、普通のエアコンを床下に入れています。
夏はダクトで上にもっていっています。
2台ありますが、1台は予備で稼働しているのは1台のみ。
全館空調の吹き出し口

窓はスロベニアの熱貫流率0.8のものを採用しているそうです。
(現在は0.8スペックのものは国内でもありますが、当時はまだ国内メーカーではなかったそうです)
この窓、デザインも洗練されていました。
ちなみに、やはり冬の加湿は必須の様です。
8L×3台稼働=24L/日
の加湿で約50%の湿度とのこと。
ここで、検証として我が家の場合を比較しますと、
昨年は一切加湿しませんでしたが、湿度は約30%でした。
今年は実験的にとコロナ予防のためLDKを加湿しています。
スチーム式の電気代が気になったので、ハイブリット式加湿器を新調しました。
常にMAXで運転しても約45~50%で、一日、15Lほど加湿しています。
(加湿器では高く差すようですが、壁掛けの湿度計で見ています)
ちなみに、窓ガラスには水滴は全くつきません。(昨今の窓の性能素晴らしい…)
比べると、、、
モデルハウス 24L/日  気積1000㎥ 50%
我が家    15L/日  気積300㎥  45%~50%
比較すると加湿量がかなり多いのが分かります。
では、なぜこの加湿量の差が出るのでしょか?
答えは、換気効率の違いなのです。(由地さんと分析)
モデルハウス:第1種換気+全熱交換(コスト高、換気ロス低)
我が家:第3種換気(コスト低、換気ロス高)
第1種換気…機械給気・機械換気によるシックハウスの24時間換気
第3種換気…自然給気・機械換気によるシックハウスの24時間換気
改めて違いを比べ、発見になりました。
気密、断熱、換気は要素3つあり、快適性にはどれもバランスよく整えていくのが重要だと感じます。
そして個人住宅でどこまでやるかは、イニシャルコストとランニングコストと快適性のバランスによると思います。よりよいバランスを今後も模索していきたいと思います。

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