わかっているつもりだけの換気セミナー

換気のオンラインセミナー。
講師は断熱・気密化技術・換気・エコハウスなどの環境のスペシャリスト南雄三さん。

南雄三先生からの提言
「換気を考えるためには、換気だけを考えていてはだめで、断熱・気密・冷暖房を合わせてバランスよく考える必要がある。」

すごく簡単な言葉ですが府に落ちました。

南さんはG1~2レベルの断熱性能だったら第三種換気でも良いと考えていらっしゃることは大きな収穫でした。
第三種換気における熱損失の割合を見ると全体からするとそれほどではないという理由なのだそう。

 

 

コストが許せばより良い環境として、熱交換型の第一種換気をご提案した方が良いのかな…でも設備が重装備になるのは本当にいいのだろうか?住宅はメンテナンスも考えてあえてシンプルにつくりたい。

 

と常々思っていたので、南先生の考え方は嬉しい発見でした。

  

最後に南さんと参加者の雑談の中で、
「結局どれがいいかは難しいね。」という話が出てきました。
スペシャリストの方々でも絶対の方法があるわけではない。
沢山の手法や設備商品があるので、考え方もいろいろ。選ぶのもそれぞれ。

 

改めて、「自分軸をしっかり持つ」

  

南さんおすすめの解説本をすぐに注文。
「建築技術2019年1月
わかっているつもりだけの換気」

ネーミングが面白いです(笑)


カテゴリー:02_work

板金とタニタハウジング

雨どいなどでお世話になっているタニタハウジングウェアの事務所にて、板金と雨といの勉強会。

いつかお会いしたかった、新井板金さんによる板金の基礎知識の講義。
その後、雨を再現する実験機「フラセール」雨水の流れの実験。


タニタさんの鎖樋「ensui」は豪雨でもきれいに流れる。
私もフラセール内に入って豪雨を体感。
昨今の集中豪雨では、屋根に集まる雨水の量も相当になることは想像していましたが…。
屋根の上がどうなっているのか、普段は見えない部分を、観察することができました。
豪雨では雨は横のケラバ下にも回り込む!

そして、メインイベントの屋根葺き体験。
たてはぜ葺きを作ります。


白色板金の傷付きやすさを体感。
0.4mmと0.35mmの厚みの違いによる扱いの違いを体感。
つりこで板を固定し、はぜを作っていきます

難所は軒先の処理!
新井さん(息子さん)が扱うと、まるで折り紙のよう。


今回はリオタデサインの関本さん考案のリオタハゼに挑戦。
(名前がついてしまうなんてすごいですよね)
通常より端部のハゼのタタミが緩やかで雨仕舞いが良い。
デザインと機能をかなえたおさまり。

途中で谷田社長もご参加くださり、
最後には懇親会も開いてくださいました。

なんといってもタニタハウジングさんの社風。
社長は以前から存じ上げていましたが、
会社全体皆さんとてもいきいきと働いていらっしゃる!
受付で名前を伝えたところからもう雰囲気が違いました。

「雨のみちをデザインする」
ステキな社風ですよね。
商品がシンプルでいいだけでなく、
モノを売る会社なのに、ものでなく価値をつくっていく。
会議室の社長が掲げた貼り紙にもその意思を感じ、
社員さんにも行き渡っていると感じました。

雨の道を酒の肴に盛り上がり…
お開きになっても飽き足らず、
一旦片付けたのに立ち飲みで飲みが再開(笑)

今度は実務でご一緒させていただきたいです(^^)

後日、谷田社長からお聞きした、ensuiが多く採用された和光市にある商業施設「鈴森ビレッジ」を散策。

 


こんな豊かな場所が地元にできてうれしいです。

今度は買えなかったパン屋さんのリベンジがてら、あえて雨の日に来てみたいです。


カテゴリー:01_life, 02_work

オープンハウス

先日、大学の友人Airhouse桐さんの設計した住宅が竣工し、

オープンハウスにお邪魔してきました。

「横浜の家」

どこか教会をイメージするような三角が象徴的な外観。

写真家の矢野さんもおっしゃっていたそうです。

ペンダント照明、写真では分からないのですが、

とーっても小ぶりなのです。

空間に合わせててづくりしたそうです。

深く細部まで追及されたデザイン。

そして私が、建築を見に行った時、必ず見るのが、

「雨の道のデザイン」

建物に降った雨がどうやって流れていくかを探します。

このお家は軒樋も竪樋もなくて、雨が流れるところが生活していて分からないようにデザインされていました。

また、バルコニー部はあえて竪樋をつけておらず、

雨の日には下部の植栽にポタポタと流れ落ちるのかなと想像したり…。

雨仕舞(あまじまい…雨をどう処理するか)は、設計コンセプトとして雑誌などに掲載されることはないような脇役的部分なのですが、設計者の考えや、工夫が手に取るようにわかる部分で、結果的に全体のデザインに影響してくる大事な部分だと思います。

迷路のスタートからゴールのルートを探すようです。

「雨の道のデザイン」

そんなさりげない部分だからこそ、私も大切にしたいと思っています。


カテゴリー:00_think_考え, 06_architect・art

オンライン授業

文部科学省のGIGAスクール構想により、我が子にも夏休み前に一人1台パソコンが支給。

コロナの影響で、9月はオンライン・対面のミックスで分散登校を実施。

初めは操作の不慣れもありましたが、最後の方では電子掲示板にて連絡の管理をしたり、数人に分けたグループ討論をしたり、動画を撮って投稿する宿題が出たり、音を出した鍵盤ハーモニカの授業が出来たり、オンラインならではの良さも沢山見つけることが出来ました。

子供の授業風景を私が継続的に見守ることが出来たのも大きかったと思います。

先生も子供たちもよくこの変化に対応していると拍手です。

「学びが変わる」をコロナにより急加速で実感。

パソコン用電源位置など、住宅設計でこういった仕掛けの大切さを感じます。

造作テーブルのサイドに電源設けています。

パソコン使用だけでなく、アイロン、ホットプレートなどで使用していて、

テーブル周りのコンセントはやはりとても重要だなと感じています。


カテゴリー:00_think_考え, 03_house Niikura-新倉の家-, 09_daughter1_長女, 10_daughter2_次女

20201218高断熱住宅見学&冬の加湿について

先日、高気密高断熱住宅のモデルハウスを見学させていただきました。

我が家の断熱材の施工をしてくださった由地さんが仲間と気密断熱の設計施工の会社を立ち上げたそうで、今回お誘いしていただきました。小泉木材さんの新社屋として建てられたもので、高気密高断熱住宅のモデルハウスとしても使用されているそうです。
外壁は「杉+ウッドロングエコ」の組み合わせで、我が家も同じ(^^)
施工3年経っており、いい感じの外壁です。

気積(家の住空間の体積)が1000㎥(一般的な住宅の3~4倍)もあるのに、なんと6畳用のエアコン1台でまかなえるそうです。
参考に、Ua値は0.2!
冬は日が出ていれば日射による温かさでエアコンいらずのようです。
(我が家も2Fはそんな感じです)

1月の室内平均気温は20℃、
エアコンの電気代は
暖房では 4,000円/月
冷房では 22,000/月
この性能値を出すために、もちろん相当の断熱・気密・空調工事を施しており、それなりのコストもかかります。
現在の技術と商品の結晶ですね!
断熱に関していえば、壁体内断熱材セルロース 、外側に別途断熱しているそうです。
全館空調の心臓部。自ら機材を購入し施工したそうです。
エアコン部、普通のエアコンを床下に入れています。
夏はダクトで上にもっていっています。
2台ありますが、1台は予備で稼働しているのは1台のみ。
全館空調の吹き出し口

窓はスロベニアの熱貫流率0.8のものを採用しているそうです。
(現在は0.8スペックのものは国内でもありますが、当時はまだ国内メーカーではなかったそうです)
この窓、デザインも洗練されていました。
ちなみに、やはり冬の加湿は必須の様です。
8L×3台稼働=24L/日
の加湿で約50%の湿度とのこと。
ここで、検証として我が家の場合を比較しますと、
昨年は一切加湿しませんでしたが、湿度は約30%でした。
今年は実験的にとコロナ予防のためLDKを加湿しています。
スチーム式の電気代が気になったので、ハイブリット式加湿器を新調しました。
常にMAXで運転しても約45~50%で、一日、15Lほど加湿しています。
(加湿器では高く差すようですが、壁掛けの湿度計で見ています)
ちなみに、窓ガラスには水滴は全くつきません。(昨今の窓の性能素晴らしい…)
比べると、、、
モデルハウス 24L/日  気積1000㎥ 50%
我が家    15L/日  気積300㎥  45%~50%
比較すると加湿量がかなり多いのが分かります。
では、なぜこの加湿量の差が出るのでしょか?
答えは、換気効率の違いなのです。(由地さんと分析)
モデルハウス:第1種換気+全熱交換(コスト高、換気ロス低)
我が家:第3種換気(コスト低、換気ロス高)
第1種換気…機械給気・機械換気によるシックハウスの24時間換気
第3種換気…自然給気・機械換気によるシックハウスの24時間換気
改めて違いを比べ、発見になりました。
気密、断熱、換気は要素3つあり、快適性にはどれもバランスよく整えていくのが重要だと感じます。
そして個人住宅でどこまでやるかは、イニシャルコストとランニングコストと快適性のバランスによると思います。よりよいバランスを今後も模索していきたいと思います。

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